今週末の土曜日、ハインツーハラルド・フレンツェンは、第76回ル・マン24時間レースのスタートを迎える。フレンツェンにとってはこの伝統のレースへの2度目の出走となる。ロレックスは、2001年以来この伝統のレースの公式計時を担当している。
フレンツェンは1967年にドイツで生まれた。そして1992年にプライベートチームのドライバーとして初めてル・マン24時間レースに出走し、ル・マンのサーキットと夜間走行を体験した。その晩は雨の中の走行となり、その雨は今年の6月1日に行なわれた公式練習走行のときよりも激しいものだった。コクピットの中での孤独、未知のコースを習得すること、パワフルなエンジンを制御すること。フレンツェンにとって初のル・マンは全てが忘れられない体験となった。だが、フレンツェンは、悪コンディションを苦手としないドライバーだ。
フレンツェンは、1994年から2003年までF1世界選手権に157戦参戦し、1997年サンマリノGP(イモラ)、1999年フランスGP(マニクール)、同年イタリアGP(モンツァ)で3勝を挙げている。なかでも、1999年6月27日にマニクールで行なわれたフランスGPでの雨中の優勝は、フレンツェンにとって最高の思い出だという。当事フレンツェンはジョーダン・無限ホンダで参戦していた。
「ひどい雨のあと、気がついたらミカ・ハッキネンとルーベンス・バリケロをしたがえて表彰台に立っていたんだ。あれは僕のドライバー人生で最高の瞬間のひとつだった」。
だがフレンツェンはル・マンに戻ることを長いこと願っていたという。
「ル・マン24時間レースには、長いこと出たいと思っていたんだ。本当にずっと夢見てきたんだけど、今年の2008年まで実現できなかった。でも、アストン・マーティンとコンタクトをとって以来、僕の中ではル・マン24時間への準備が最優先事項になっていたよ」。
フレンツェンは、今年のル・マン24時間に、アストン・マーティンDBR9でLM GT1クラスから出走する。フレンツェンとコンビを組むのは、カール・ヴェンドリンガー(オーストリア)とアンドレア・ピッチニ(イタリア)だ。
「ル・マン以外に他の耐久レースにも参戦し始めたんだ。ニュルブルクリンク24時間レースでは、実験段階のハイブリッド車もドライブした。このマシンで、ブレーキング時のエネルギーを回収再利用する方法を探っていたんだ。運動エネルギーをシンプルな方法で回収することで、マシンにはさまざまな効果があることもわかったよ。実験は上手く行っていたんだけど、ギヤボックスが壊れて完走はできなかった。僕たちはこの方向性を維持すべきだね。今年のル・マン24時間には、このハイブリッド車は出走できなかったけど、来年は投入すべきだと思う」。
こう話すフレンツェンは腕の時計に視線をくれた。
「これ、ロレックス・オイスター・パーペチュアル・デイトナのスチールだよ。妻が僕の40歳の誕生日にプレゼントしてくれたものなんだ。僕には欠かせないものになっていて、お守りになっているんだ。それに、ひとつ秘密も教えてあげるよ。僕のロレックスは決して正確ではないんだ」
フレンツェンが指差したロレックスの腕時計は、5分進めてセットされていた。こうすることで、ミーティングに遅れないようにしているのだという。フレンツェンは、時間に厳格なのだ。
今年のル・マン24時間レース2008について、フレンツェンは大きな期待を抱いている。
「規律、チームワーク、スピードの魔力、健全な体制のパートナーたち。これら全てのおかげで、僕たちは前に進んでいる。マシンも準備万端だ。6月1日のテスト走行会は雨だったから、たいした結果が出なかったんだ。マシンは、全てが象徴的なんだ。まずカラーリングは、パートナーのガルフ石油の水色とオレンジなんだ。それにナンバーも“007”だからね。ガルフ石油は、1968年にルシアン・ビアンキとペドロ・ロドリゲスが操縦する水色とオレンジのフォードGT40で、ル・マン24時間の初優勝をしているんだ。今年はそれから40年目というのも、僕たちのモチベーションを高めてくれている。僕たちは、再びガルフ石油のカラーリングのマシンで優勝をしたいんだ」。
フレンツェンは、今週末のスタートを心待ちにしている。
「土曜日午後3時のスタートが待ち遠しいよ。そして、24時間の走行のあと、翌日の午後3時にゴールしたいよ」。
いずれにせよ、フレンツェンにとって大きなチャンレンジになることは確かだろう。
現地時間6月14日ロレックスの公式計時によるスタートカウントダウンのあと、午後3時(日本時間同日午後10時)に55台のマシンが、2008年ル・マン24時間レースをスタートする。
ロレックスは、2001年よりル・マン24時間レース、2005年より耐久レース選手権のル・マンシリーズの公式計時を担当している。また、北米の伝統の耐久レースであるデイトナ24時間レースでも、ロレックスは1992年以来公式計時を担当している。
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